10年前のあの日も、月曜日だった。
あの日のことは、まるまる一日の時間としてとてもよく覚えている。
朝起きると、母におしえてもらった。
「関西のほうで大きな地震があったみたいよ」
「そうなんだ。」
あのときは、そんな風にしか思えなかった。
だって、地震であんな事になるなんて、思ってもいなかったんだもの。
私が家を出るのは7時ちょうど位だった。
多分日の出時間直後だったと思う。
7時の時点でのニュースでは地震があったことだけしかわからなかった。

会社につくのは9時少し前。
会社についたとたんに、たくさんの電話を受けた。
どれも「無事です」の報告。

その頃勤めていた会社では、ちょうど販促時期だった。
前日から各地に何人もの人が散らばっていた。
京都、大阪、岡山、広島、そしてもちろん神戸も。
「池田です。すごくゆれたけど、無事です。一応今日は販促回ります。」
「高山です。こちらは大丈夫でした。」
「岩田です。ゆれは大きかったけれど大丈夫です。一応ご報告します。」
あの頃は営業部はもちろん出払っていて、お留守番部隊にはクボさんと私と倉庫のおじ様が二人いるだけだった。
だから、それらの電話は全て私がとっている。
みんなして、何のことなのかと思っていた。
そこに同じく前日から九州入りしていた社長から電話が入った。

「連絡ありましたか」
「はい。この人たちからありました。」
「三枝さんからは？」
「まだです」
「そうですか。もう出かけますので、またかけます」
「はい。わかりました」

社長までいったいなんだと言うのだろうと思っていた11時ころ。
三枝さんから電話が入った。
「三枝です。無事です。怪我もありません。テレビがね、飛んできたの。びっくりした。電話もすごく並んでいて、やっと順番が回ってきた。一応報告までです。また連絡します。」
そう言って彼女は最初の電話を切った。

そのすぐ後だったと思う。また社長が連絡あったので三枝さんからは無事だと連絡があったことを伝えたら今度は
「何か食べたり出来ているのかな？」
「さぁ、また連絡すると言っていたので、そのとき聞いてみます。」

会社にはテレビがなかった。
現地の状況、明るくなってはっきりする被害状況を伝える映像。
それらから隔離されている私達は、訳がわからなかった。
一度だけ外回りから帰ってきたおじさんがラジオで火事が起こっているらしいとの情報を得てきただけだった。

帰り間際、もう一度かかってきた三枝さんからの電話で、
朝、ホテルでオレンジジュースが一杯配られたけど、それしか口にしていないこと、今日はそのままホテルにいると伝えられた。
もちろん、社長にはホテルにFAXで一日にあった報告を整理して送っておいた。

驚いたのは家についてから。
はじめて見る映像にただただ、驚いた。
一日にあった、人々の報告の意味がそこでやっとわかった。

三枝さんは翌日まるまる1日かけて大阪までたどり着き、さらにその翌日東京に帰ってきた。
そして、そのまましばらくお休みした。

前日の日曜日に学校の合宿で神戸を出た高校生がいたり。
そうかと思うと三枝さんのように前日に神戸入りした人もいた。
人生は人の運命はいろいろあると、とてもとても感じた出来事だった。

私の中では「阪神大震災」というと「三枝さん」が最初にイメージされる。
あのあと、大きな地震があるとすぐに「大丈夫かな？」と心配になる。
私は経験していないけれど、やはりあのときの記憶はいろんな意味で、人の心に大きな何かを刻んでいる。

昨日、おばから電話があった。
「おばあちゃんが・・・」

祖母は2年半前、20年暮らした家を出て車で15分足らずの伯母の家へ行った。
1昨年夏に体調不良を訴え（自分で肺癌だと診断していたらしいのですが）検査などは一応しましたが、なにぶん高齢のため、積極的な治療などは一切せずに暮らしており、昨年夏に「肺癌」と診断を下されそれから、2ヶ月くらいは入院していたりしましたが、在宅看護に切り替えて過ごしていました。

祖母が暮らしていた伯母と、母の仲はとてつもなく悪く（これも祖母が悪いのですが）これまで法事の知らせも何もかも、一切連絡は来なかったのですが、さすがにそれでは済まされないとその上の姉妹に言われて、家に連絡が来ました。
やはり近いのが幸いして、一番に駆けつけ見守っていました。
程なくしてついた医者に、もう最期の時を迎えつつあると言われて、親戚一同呼び寄せました。
ただ、その時は本人の体力のみぞ知る状態で、今晩が峠なのか明日なのかはわからないと言われていました。

昨夜は一度家に帰り、今朝また顔を見に行きみんなで祖母の寝る部屋に集まって、お話したりお茶を飲んだりしながら、代わる代わる祖母の周りを囲んでいました。
周りに人がいなくなったので、祖母のそばに行き、酸素の状態を機械で測ろうとして、上手く行かなくて、やっと測ったりしていて、ふと顔を見るとなんとなく呼吸の間隔が長くなっている気がして、今度は時計の秒針とにらめっこをしていたら。
呼吸自体に一瞬力がなくなったと思ったら次の息をしなくなりました。

「おばあちゃん、息してないみたい」

つぷやくように言うとみんなが、集まってきました。
鎮痛剤と睡眠薬を一定量身体に入れており、ずっと眠ったままの状態で痛みもなく本当に眠ったまま、そのままでした。
ひどく苦しむ事もなく、みなに見守られ、本人の望んだとおりの最期でした。

95歳。
けれど、祖母が一番恐れていたのは、癌と死でした。
私の車の後部座席に乗り、途端にシートベルトをして一人助かるつもりだよとみなに笑われたり、「身体に良い」と言われる事は端からためし、寝たきりになりたくないからと肋骨骨折も2週間ででふつうに動き出してたり、強い人だった。
診断こそ癌だったけれど、特有の症状にもほとんど苦しまず、多分老衰だったんだと思います。

おばあちゃん、よくがんばったね。

おかげさまで、無事公演が終了しました。
お忙しい中、お越しくださいました皆様に、心からの感謝を申し上げます。

ここで知り合った方が遠いところ、見に来てくださった。
とても、とてもうれしかった。
終演後の短い時間、少しだけお会いすることも出来た。
イメージどおりの空気感をもった方々だった。
私のほうは、舞台用に派手なお化粧と、妙なハイテンションで今から考えると、ちょっと恥ずかしい。
実は、席を彼の隣にしようとたくらんだんですが、いろいろあって、出来なくてそれがちょっとだけ残念。
見に来ていただけるだけでありがたいのに、お花やお土産もいただきましてありがとうございました。
本当に本当に、ありがとうございました。
今度はゆっくりお話がしたいと思いました。

内容的には、すごく良かったとたくさんの方に言ってもらった。
先生の作品は最後になぜだか、感動する。
今回は最後の曲で、彼でさえも「泣きそうになった」と言っていたので、多くの人はたぶん涙したと思う。
したことないけど悪い事をしたことを思い出したり、してないけど悪い事をした気持ちになったりするんだそうです。
私の目が潤んでいたと見えた人が、私の友達でたくさんいました。
実際本番前日のゲネプロでは、踊りながら泣きそうになったけど、本番ではそれはなかったのにそう見えたのは、多分見た人の気持ちだったんだと私は思っています。

たくさん間違えた。前回の公演ではありえなくらい間違えた。
けど、すべての人が「楽しそうに踊っていた」といってくれた。
だって楽しかったんだもん。
どれもみな楽しかった。
特に2部の後半踊りっぱなしのところはものすごく楽しかった。

*〜*〜*

走りきった3ヶ月間でした。
すごく、ものすごく大変だった。
プライベートな時間がなくなるって事は、生活が成り立たなくなるという事なんです。
母にはとてもとても感謝しています。
家の事などほとんどできずに、寝る時間が遅いから、朝もちゃんと起きれずに、この歳になって朝自分で起きれずに起こされたなんではじめてです。
夜ご飯を家で食べる事もなくなり、けれど夜中に帰ってくると野菜がいっぱい入っている鍋がほのかに温かくて、早く寝たいので、温めたスープをお風呂の中で飲んだり、そのあと衣装作りしたり。

気軽に「やりなよ」と言った彼が一番びっくりしたと思う。
私や母は、前回もそうだったのである程度は覚悟していたけれど（それでも、通勤しながらは大変でした。前回は近所で働いていたので通勤往復3時間は全部その時間に当てられたから。）彼は、会う時間さえもなくなるとは思ってなかったんじゃないかな？
12月に入ってからは、仕事以外の時間は練習やその関係の事にあてられたので、彼と会う時間は夜だけだった。
幸いな事に彼の家と使っていたスタジオが、車で20分くらいの所だった。
10時までの練習のあと食事の約束をしながら、いろいろあって11時半まで待たせるなんて、毎回だった。
時間があって、なかった。

彼はお昼も夜も二回とも見てくれた。
終わったあと、「がんばったね」と何度も入ってくれたけど、半分は自分にむかって言ってたんじゃないかな？

*〜*〜*

やっと、年越しした気持ちです。
なんだか、終わるまでと思ってそのままになっていた事とかたくさんあって、これから年賀状かわりの寒中見舞いを出そうかと思っていたり、もちろんいっさいしなかった大掃除とか、忘年会は失礼してしまった友達との新年会の計画とか、書くとそんなにいろいろないですが。

昨日子供の「ママ」と電話で話をしたら
「追加公演はしないのかな」といってるとのことだった。
追加公演に備えて、今でもナンバーを踊っているらしい。
さすが子供たちだ。
追加公演はママ達がギブアップだそうだ。

*〜*〜*

本当はかきたい事がいっぱいあるんだけれど
ゆっくり書き足していけたらいいと思います。

今日私の入り時間に合わせて通し稽古をやった。
靴がすべって怖いだけで振りが飛ぶ。
ちゃんと踊るのに、ものすごく緊張する。

今回の公演、こわいです。

今日は彼のお墓参りの日
昨日降った雪のお陰で大変なお墓参りになったらしい

ともかく　今年はよろしくおねがいします

*〜*〜*

今日はダイヤモンドの衣装を作った。
やっぱりかわいい。
大満足。

あと、泣いても笑っても一週間。
昨日、ダイヤモンドの衣装の布をもらってきた。
この衣装着たかったんだ。
明日作る予定。

この10年の総決算。
それもあと、一週間で終わる。

昨日、夜中に帰って来て、気がつくとお昼になっていた。
外は白い世界。
練習に行くのは断念した。

今年最後の夕食を母ととっていて、けんかになった。
今年の総決算。
来年は家を出たい。
母が嫌いだからじゃない。
母の期待にこたえたいから。

全ては私の力には及ばない事。
私は、私のしたいことが出来ない。
実現できないでいる。

でも、来年はそれを変えたい。

ダンスは大好き。
でも、今度の公演はきっと最後になる。
もう、踊れない。
踊っちゃいけない。
そうやって表現するのは違うんだと思う。

んーよくわからないや。

ショップに行って、適当に言った値段が、ふたりのわけのわからない会話からなんとなく導き出されていた30万が正解だった。
「かっこよかったんだけど、見つけたと思ったんだけど、だめだね。」
『だめなの？』
「だめでしょう」
『どうして？』
「常識で考えて、だめでしょう」

まあ、彼の言う事もよく分かります。
彼が見つけてくれたから、わたしにとってはうれしい指輪だけど、そんな値のはる指輪なんて確かにいらない。
でも・・・
なんか、ちょっと納得いかない。

『ねぇ、だめなの？』
「だめだよ」
『ねぇ、ぜんぜんわからないんだけど、私がこれが欲しいって言ったわけじゃなかったと思うの。これ見てみてよ。良くない？とか言ってもらって。でだめなの？』
「ねぇ」
彼は笑っていた。笑っちゃったって感じ。

で、次の提案。

「作る？」
『作るの？』
「うん、Kitとか売ってるじゃない。シルバーのさ。」
『あるね』
「作るか」

彼の提案はうれしいけれど・・・
『ねぇ、わかってる？作ってもらうってすごいことだよ。30万円の指輪をもらうよりも、ずっとすごいことだよ。わかってる？』
彼はわかってない気がするの。

来年早々の彼の仕事の予定が決まったらしい。
一月から三月まで毎週月曜日と火曜日に、会社ではなくて別の場所に行く事になった。
通えないことはないけれど、ちょっと離れているから、毎週泊まるのか聞いたら、上司に聞いたらだめだといわれたと、残念そうだった。

「○○市あたりの、かわいい子を探すといいかなと、思ってるんだよね。」
そんなふうに言い出した。
「楽しいし」
彼が本気で言っていないことはわかっているから、そのまま相槌をうった。
『ふうん』
「そんで、毎週泊まれたら楽じゃない。そのほうが現実的だよね」
本気じゃないのはわかっているけど、本当にそうでもいいかなと思った。
『そうだね』
「そうそう。朝も早くないし。いいよね」
だったら、彼のことを諦められる。
『いいね。そうすれば、食事もついてるしね』
「洗濯もしてもらえるかな」
そのほうがいいかな
『いいねぇ』

すると、箸が入っていた紙を丸めたものが思いっきり飛んできた。
『？』
「逆だね。あなたが投げるならわかるけど。」投げておいて、すかさず彼は言った。
『うん。なんで投げられたのかわからない。なんで投げるの？』
でも、その質問には答えてもらえなかった。

「ねぇ、検索してみた？」
メールで名前も送ったしこれで検索もしてないとなると、彼の言葉を無視してるみたいで、私の彼に対する気持ちが疑われそう。
「みてみたよ」
「かっこよくない？」
「うん、かっこよかった。」
「でしょ？かっこいいよね」
「うん。指輪、くれるの？」
「かっこいいでしょ？」
「うん。くれるの？」
「とりあえず、見に行こうね。」
「なんか、ダイヤが散りばめてあったのが良いな」
「へ？そんなのないでしょ。そんなたかそうなのないでしょ」
「へ？あったよ」
「オフィシャルには値段かいてなかったよね。」
「うん」
「値段知ってる？」
「知らない。」

ほんとうはちょっと見て知ってた。
でもダイヤのはわからなくて、無地のものでも3〜5万円くらいのものだった。それを組み合わせる形のデザイン。私の指はちゃちなので二個がやっとだと思った。
それでもけっこうな値段になる。ダイヤのものはもう少し高いんだろうと思っていた。

「ほんとうは知ってるでしょいくらだったの？」
「しらない。3とかじゃない？」
「30万って事？そんなにするの？」
「知らないってば」
「ま、とにかく見に行ってみようよ」

彼は値段を知らずにいた。

「ねぇ、検索してみた？」彼にそう言われて
「してない。なんだっけ？横文字の名前って覚えられないね。」
もう一度聞いたら、パソコンのアドレスにメールが入っていた。
職場で検索して出てきたものに驚いた。
指輪だった。
でもでも、ちょっと高価そう・・・。
オフィシャルのページには値段は載っていなくて、更に検索をかけていろいろ見てみる。
やっぱり値段がはるものなんですけれど、大丈夫なのかな？
前から欲しいと言っていた指輪。
でも、彼は指輪はあげない主義なんだと言い続けた。

最初は乗り気の素振りで見に行ったりするのに、結局はかわずに帰ってくる。
たぶん、最後のところで指輪は送らないと心に決めているんだと思う。
私の前につきあっていた彼女に、「買わされた」のが、彼の人生の中で唯一の指輪らしい。
それも、自分の浮気の代償だったと教えてくれた。
「結婚するんなら彼女だし」そう自分に言い聞かせて買いに行って値段の高さに目が飛び出たんだとか。「ゼロが一個多くない？」と思ったけど、何しろ自分の浮気の代償だったので文句も言えず買ってあげたそうです。

そんな彼の指輪の提案。
うれしい。
うれしいけど、なんとなく、彼の声が聞こえてくる気がした。
この前「結婚」の話を思いっきり拒否した彼。
彼の中で、「指輪もだめ。結婚も嫌」それじゃあ、私が彼についていかないと考えたんじゃないかな。
そんな気がして、それなら指輪は要らないと思っちゃったりするんですけど、でもいつこれが実現するんだろう・・・
クリスマスのことを考えているのかな？

先週ひいた風邪がぶり返した。
良くなったと思って、日曜日から動き出し
ずっとフル活動してしまったので
木曜夜には体調を再び崩して、金曜朝にはまた熱が出た。

もう、自分の体調がどんな事になっているのか
自信もないし、訳がわからなくなっている。

とりあえず、今日はこれから練習を見学に行ってきます。
まるっきり離れているのは心配になる。

練習を終えてスタジオを出て、自分の車に乗り込んで、そこで一息。
彼に電話をかける。
挨拶もそこそこに、彼が何かの名前を口にした。
「みつけたよ」
何を見つけたのかいくら聞いても教えてくれない。
「ネットで検索して見てよ。」
名前なんてたぶん覚えていられないし、何だかわらないんだもん。
検索してみるとは言ったけれど、車で家に帰るとすでにその言葉は私の頭の中かすっぽり消えてなくなってしまっていた。

彼の事を心配している場合ではなく、私がダウンしてしまった。
水曜日に、午後仕事でお使いに出かけたら、
戻ってからのどの調子が良くなかった。

やばっ

夜練習があったけれど、急遽お休みにして
風邪薬を飲んで早めにベッドに入った。
風邪はひき始めが肝心だから、この調子ならば翌日にはすっかり治っているだろうと思ったのが、甘かった。
とても出勤できる体調ではなく・・・もちろんクラスもお休み。
木曜の夜には、いい調子と思ったのもつかの間、真夜中に発熱して金曜日も休んでしまった。

クラスの中では、子供も大人も風邪が大流行している。
みんな風邪を引いても、「がんばって来る」のがいい事と思っているらしく、せきが出ようがお構いなしに練習にやってくる。
風邪を移さないようにするとかの配慮もないまま。
ぎりぎりのところでやってるから、普段はかからなくてもいい風邪にかかったりして、クラス中に蔓延しているの。

ついに、私の番がやってきたっていう感じで。
先生にもメールを送り、臥せっていた。
でも、どうやら「疲労」が原因らしく、丸まる2日寝込んだら、今はなかなか良好な感じ。
明日には出られそうです。

疲れているときって、身体が睡眠を要求しません？
電車の中でも10分しかないのに、爆酔しちゃうんです。
お昼休みもご飯食べたあと30分すっかり睡眠時間だし。
その眠りの深さったら驚くほど。
なのに、火曜日にベッドには入れたのが3時だったから、
きっと身体からストを起こしたのだと思います。

とにかく長引かずに良かったです。
3日寝込んだら、十分かな？

彼に電話をしたら、
「仕事中」と聞こえた。はじめは。
もう11時を回っていたので、聞き返したら
「死にそう」だった。

夕方から具合が悪くて、やっと帰って来て
でも、あまり具合が悪くて、眠ろうにも眠れないんだそうだ。

彼は一人暮らしではないので、安心だけれど
こんなときにそばにいたいと思うのは、変なのかしら。
彼には、そういう気持ちは通じないのかと悲しくなります。
何も出来ない私。

私はやっぱり彼にとっては、いいときだけいっしょにいれば
いい存在なのかもしれない。

彼は、春にも体調が悪かったときがある。
実はこの前、健康診断で、再検査に引っかかったそうだ。
「なに」かは、おしえてもらっていない。
再検査の結果が出たときに
良くても悪くてもおしえてくれると約束してくれた。

彼の身体が心配。

先生の体調は全く回復の兆しがないまま一週間を迎えようとしている。
土曜日に練習がお休みになった。

彼と1日ゆっくりデートする。
先週彼は自分の車を動かそうとして、あまり長い間ほおって置いたものだから、ご機嫌斜めで動かなかったそうだ。だから、私の車で救済しようと朝から会いました。
先週のメインテナンスの成果で救済するまでもなく、ちゃんとエンジンがかかりまして。
その後、一時間くらいドライブをした。
久しぶりに乗るその車に彼はご機嫌。
とても珍しい車なので、街中を走ると注目を浴びます。それもまた、気持ちいい！
そして、お泊り
彼は何度も「久しぶりにゆっくり出来た。よかった。」と言っていた。
帰りがけ、髪を梳いている私に向かって鏡越しにまた同じ言葉を発したから
「もうないよ。」と言ったら・・・
「えっもうないの？もう、ずっと？あっ発表会が終わるまでね。」
彼は何に「最後」を感じているんだろう。

彼は今年中にやりたいことがある。
年間50回搭乗
今年の出張は飛行機会社をしぼって利用していた。
現在43回。台風で1回、出張つづきだからと上司が気を利かせて移動の出張がなくなり（入らぬおせっかいと彼は言っていたけれど）往復2回がキャンセルになっていた。
後7回もう、12月に入っているし、あと4回は予定が入りつつあるそうで。
けれど、どうしても後3回乗らないと50回には、とどかない。
今年を逃すともう、年間搭乗50回は実現できそうにないから、ちょっと気合が入っている。
「あの3回乗れていればちょうどだったのに」と悔しそう。

前から、2往復自腹で乗っても良いやとも言っていた。
しかも、旅行じゃなくて単純に飛行機に乗るための旅。
二人で大阪まで乗って、彼は一人で一往復、二人で東京に帰るなんて、変な計画も浮上していた。
でも、ここにきていきなり「湯布院はどう？」とか言ってきた。
えっ？
「24日休んで23から4連休で」
本気で言ってるのかなと思った。
でも、どうやら今までになくいろんな話が具体的。
ちょっとと言うか、かなり本気らしい。

「むりです」
「だめ？」
「絶対に無理」

大詰めも大詰め。
その計画はうれしいけど、そんなの無理だよ。
この時期に4日も練習せずに舞台にあがるなんて小心者の私は出来ませんわ。

仕事の帰りに自主練習に行こうかと思っていたのですが、場所の確認をしたら車で行くほうがいい感じ。一度戻らなければならないけれど。
車で行くなら・・・とまたもや彼に電話をした。
「五時半が定時だから。仕事中は電話には出ないよ。」
この間、そう言われていたので、6時近くになってから電話をかけたのにやっぱり出なくて、まあ仕事中だから仕方ないよね。
またもやなんでもないとメールを送ろうとしたら
「またまた電話が来たよ。どーした？」
この前の今日で「どーした」も「こーした」もなく・・たぶん彼もちょっとは期待していたんじゃないかなとおもいつつ。
「自主練習が9時半に終わるからそのあと一緒に食事しません？」

終わってからこちらから連絡することになり、今日もまたデートにこぎつけた。
最近はどうしてこんなに簡単に会えるのかと思ってしまう。

ふとみると、彼のスーツの胸のあたりが薄く白くなっている。
ファウンデーション攻撃を仕掛けたらしい。
謝りながら、パタパタはたいたら、落ちた？と聞かれたのでちょっと思いついた。

「怒られちゃう？」と聞いてみた。
「だれに？」逆に聞き返す彼。
その質問には答えずにもう一度聞く「怒られちゃう？」
彼は自分の薬指をさして「してないから」と。
そこで、「してない人多いからね。」

私のかわいくない攻撃です。

昨日の練習のとき、朝から先生の体調が最悪だった。
まるまる1日終わって、「明日のクラスできないかもしれない」といった。
芸能人のように、その人自身が商品のような仕事をしている人なので、少しくらい体調が悪いくらいでは休んだりしない。その先生が、そう言ったのでやっぱり、よっぽど悪いのだと思っていた。

5時を少し回ったころ、もう職場を出てスタジオに向かおうという時にクラスキャンセルの連絡が来た。
おっやっぱり・・・とおもいつつ。早速彼に電話。
仕事中だから、出てくれるかなと思っていたら、留守電になってしまった。
まあ、しかたない今日は帰ろうと「なんでもないよ〜」とメールを書いていたら、
「今なんか、電話が来た。どーした？」と彼から。
「ごめんなさい。クラスが急にキャンセルになったので、デートできるかなと思っただけです。忙しいときにごめんなさい」と送って電車に乗ったら発車までに返事が届いた。
「いいよ。何時にどこにする？」

週末は練習で会えなかったから、突然実現したデート。
しかも、平日の7時くらいに待ち合わせて食事するなんて始めのころよくしていけど、去年春から彼が忙しくなってそんなことほとんど出来なかったから、やけに新鮮でした。

でも、仕事中に電話は出ないとちょっと怒られた。