問題が、一気に大きくなってしまいました。
とてつもなく、大きくのしかかって、つぶされてしまいそう。

私自身も少なからずそうだと思っていたけれど
彼は、まぎれもなく正真正銘の、しかも最大級のACだということに気がついてしまいました。
自分ではそうだと信じたくない、思いたくない、考えたくないほどの。

ずっと、キッチンのテーブルで2人で向かい合って食事をしていたのに、私の体調がすぐれなかったのと、気温が高すぎるせいで、空調をかけ始めたのをきっかけに空調がとどくリビング(4畳半。リビングと言うのかな)で、テレビを見ながら食事する習慣になってしまっていたのを、昨日はちゃんと話をしたいからと思って、キッチンのテーブルに食事を用意した。

彼はあんまりちゃんとした話をしたくなかったに違いない。
驚くほど饒舌で、絶え間なくしゃべりっぱなしだった。
それはそれでよかったのに、私が話を始めたら、いくらも話さないうちに「それってさ・・・」と自分で話を始めて、結局私に返してくれなかった。

会話が成り立っていない。

そう感じて、それがとても奇妙に感じて、彼に核心の話を振ってしまった。
気長に待っていたはずなのに、彼に本を渡して安心しちゃったのか短気な部分が出ちゃったのか、彼が本を読み終わるのをじっと待っていたほうが良かったに違いない。
でもやってしまったんだもん。
いくら2人とも酔っ払ってしまったとはいえ。
しかも、まだ食事中に。
図書館で借りられた本ではない、本当に彼に読んでほしかった本を仕事帰りに書店で手に入れていたので、それも渡しながら。

どのくらいの時間だったか全然わからない。
食事の途中だったのに、もう、お互いにそれ以上食べるものを口に入れることもできないほど、感情がお腹いっぱいになって、黙り込んだ。
私は言葉を出しているのに、もう一度飲み込んだ気になって、
彼は食べ物はもちろん、私の言葉さえも彼の中に入ることを拒否しているのは明らかだった。

テーブルの上をみて「全部食べ終わってからにすればよかった」馬鹿みたいにそう思っていた。
どれだけ沈黙していた時間が流れたのだろう。
最初に声を発したのは、彼だった。

「この本を、俺に読めって事?」

そうか、そう言ってたわ、私。そういうつもりじゃなかったけど、そういうことだわ。
彼の手の中にある本を取り戻して「ごめんなさい。違います。」

「そういうことでしょ?」

「違います。」

そして、再び沈黙が始まった。
その後の沈黙を破ったのも彼だった。

テーブルを見て「おわりにする?」そして、席を立つ彼。
片付けなきゃとは思ったけど、私は、手元に本があることになんだかホッとして、本を置きに別の部屋に行って床に座り込んだ。

やっちゃった。急ぎすぎた。
彼にとっては自分が生きてきた場所を否定されたように感じているに違いない。

食器が触れ合う音が聞こえる。
すると突然彼が私のところに来て「食事のことだからね。わかってる?」

そうか「終わりにする?」って別の意味にも取れたのね。

*〜*〜*

一緒にシャワーを浴びて、部屋に戻ってきたけど、私は彼がお母さんしか見ていないことがどれだけ不自然なことか、どうやったらわかってくれるんだろうと思った。
それと同時に、彼は、私にも感情もあるし親もいるんだということを知らないのかもとも思った。

そしてまた、余計な一言をつけ加えてしまった・・・・

*〜*〜*

今朝になって、言い過ぎたことを謝った。

いろいろ考えてみる。
彼はまだ、自分のことを受け入れられないでいる。
ものすごく簡単に考えていた自分が、嫌になる。

昨日の朝、彼はちょっとした抵抗をしているのを思い出した。
「親は、『親の言うことを聞きなさい』ってみんな言ってるでしょ」

言ってない。そんな事言って育ててない。

「言ってるよ。」

言ってるかもしれないけど、それは小学生か遅くたって中学生までだよ。
大きくなったらちゃんとしなさいとは言うかもしれないけど、そんな事言わないよ。

「言ってる。」そう言ったっきり、彼はそれ以上会話を続けることを拒否したっけ。

どこに問題があるのか、彼はうすうす気づいていて、でも抵抗している。
彼に自分の足で立ってもらうことはできるのかしら。

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