「これ？」

「ねぇ、検索してみた？」彼にそう言われて
「してない。なんだっけ？横文字の名前って覚えられないね。」
もう一度聞いたら、パソコンのアドレスにメールが入っていた。
職場で検索して出てきたものに驚いた。
指輪だった。
でもでも、ちょっと高価そう・・・。
オフィシャルのページには値段は載っていなくて、更に検索をかけていろいろ見てみる。
やっぱり値段がはるものなんですけれど、大丈夫なのかな？
前から欲しいと言っていた指輪。
でも、彼は指輪はあげない主義なんだと言い続けた。

最初は乗り気の素振りで見に行ったりするのに、結局はかわずに帰ってくる。
たぶん、最後のところで指輪は送らないと心に決めているんだと思う。
私の前につきあっていた彼女に、「買わされた」のが、彼の人生の中で唯一の指輪らしい。
それも、自分の浮気の代償だったと教えてくれた。
「結婚するんなら彼女だし」そう自分に言い聞かせて買いに行って値段の高さに目が飛び出たんだとか。「ゼロが一個多くない？」と思ったけど、何しろ自分の浮気の代償だったので文句も言えず買ってあげたそうです。

そんな彼の指輪の提案。
うれしい。
うれしいけど、なんとなく、彼の声が聞こえてくる気がした。
この前「結婚」の話を思いっきり拒否した彼。
彼の中で、「指輪もだめ。結婚も嫌」それじゃあ、私が彼についていかないと考えたんじゃないかな。
そんな気がして、それなら指輪は要らないと思っちゃったりするんですけど、でもいつこれが実現するんだろう・・・
クリスマスのことを考えているのかな？