来年早々の彼の仕事の予定が決まったらしい。
一月から三月まで毎週月曜日と火曜日に、会社ではなくて別の場所に行く事になった。
通えないことはないけれど、ちょっと離れているから、毎週泊まるのか聞いたら、上司に聞いたらだめだといわれたと、残念そうだった。

「○○市あたりの、かわいい子を探すといいかなと、思ってるんだよね。」
そんなふうに言い出した。
「楽しいし」
彼が本気で言っていないことはわかっているから、そのまま相槌をうった。
『ふうん』
「そんで、毎週泊まれたら楽じゃない。そのほうが現実的だよね」
本気じゃないのはわかっているけど、本当にそうでもいいかなと思った。
『そうだね』
「そうそう。朝も早くないし。いいよね」
だったら、彼のことを諦められる。
『いいね。そうすれば、食事もついてるしね』
「洗濯もしてもらえるかな」
そのほうがいいかな
『いいねぇ』

すると、箸が入っていた紙を丸めたものが思いっきり飛んできた。
『?』
「逆だね。あなたが投げるならわかるけど。」投げておいて、すかさず彼は言った。
『うん。なんで投げられたのかわからない。なんで投げるの?』
でも、その質問には答えてもらえなかった。

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