プライド

2004年10月28日 舞台裏
最近は子供たちと一緒に踊ることが多い。
前回の公演のときは大人と子供は完全に分離していて
子供が踊って、大人が踊ってと言う感じでした。
子供と一緒に踊ったのは、フィナーレとカーテンコールはもちろんだけど、
大人6人にえまちゃんがひとり入って踊った「ワンピース」と
「四人組み」(これは私もキャスティングされていたのに途中で子供四人と
大人一人に代わってしまったけれど)だけだったと思う。
それが、今回は今のところ全ての曲を子供たちと踊っている。
再三言うけれど、子供と言っても私よりも大きい子はたくさんいるんですが。
もちろん小さい子もだけど。

今日の振り付けの時。
みんなで踊っていた中から、私は子供二人と、別の大人二人の五人が
上下(かみしも)に”はけ”させられた。
その間みんなは今までの振りを踊っている。
いっしょに”はけ”たえまちゃんがこそっと私に耳打ちした。

「このまま、私たちこの曲出られないの?」

まさか。
私はそんなことはぜんぜん考えていなかったけれど
えまちゃんはちょっと不安になっちゃったらしい。
案の定しばらくして私たちは再登場するのです。



「火曜日のクラスはなくなりました」そう言う連絡だった
それが、「やるひとだけ、先生から連絡があります。」がどこからか加わったみたい。

「きっとりなとかが呼ばれてるんじゃない?」

今回りなちゃんはちょっといい役をもらっているらしい。
かやちゃんのこんな言葉を普通に聞き流していたのですが
けっこうシビアな子供の世界なのかもしれない。
あとから先生が「仕事で火曜日のクラスはキャンセルになったんだよね〜」と
言っていたので本当になくなっただけだったようです。



あの子が何曲でてる。
この子は真ん中で踊ってる。
後ろで踊れって言われた。

きっと子供たちの中にそんな気持ちが渦巻いているんだろう。



振り写しをしていると、微妙なところでトラブルが発生する。
手のむき、体の角度、カウントの違い。
顔はどっち?

ふりつけのときには「こう」だった

と言い切った者勝ちなのですが
でも多数決になっちゃったりすることもあります。

今回はカウント「4」でかがむのか
つぎの「1」からか。

前回のクラスのときに、妙に向こう側で踊っていた人たちが
早くかがんでいたのが気になった。「4」でかがむと覚えた人たち。
えっ?「4」?
これは「1」じゃないの?
それは、向こう側とこっち側で踊ってる人たちとで違っていた。
振り付けのとき、何処で踊っていたかで違っていた。

で、向こう側の子が子供たちに振り写しをしたので
「4」でかがむ振りがうつされていく。
こっち側で踊っていた5人くらいは変だ変だと言っていた。
で・・・振りうつししている子にちょっと言ってみたら

「4です!」

「4だって。すごい言い切られちゃったよ。」
こっちに戻って言ったら、一人の子が
「絶対に1だよ。くやしい。絶対に1なのに」
私としては、そんなことは結構あることで
じゃあそれに統一しようかと言うところなんですが。

ぜったいにこうなのにと思うことも、踊り易くアレンジしちゃう人が多くて
結局は多数決みたいになったらかなわないのです。
だって、先生がそんな「千手観音」みたいな振りするわけないよと思うのに
言い切られたこともあるし。
でも、みんながそうだっていうならそうなっちゃって仕方ない。
直せる人が直せばいいので、けど、その子は本当に悔しがっていた。

で、その曲は、輪唱みたいに少しずつずれて同じ振りをすることになり
その子と私は同じチームになり、私たちはしらばっくれて「1」でかがんで踊っています。
結構おかしい。くっくっく



それぞれのプライドが交錯するスタジオの中です。

コメント