彼にとっては二週間ぶりのお休み。
一緒にいられるのがとてもうれしい。
けれど、彼は私と一緒にいる以外にとてもやりたいことがある。

二週間ぶりで、なかなかいい調子の台に座って、私のことを気遣いつつも、彼は機械に夢中。
二週間ぶりだし、私が見ていてもなかなか調子がいい台に座っていることもわかる。ずっとやらせてあげたいけれど、私は飽きてきちゃった。
飽きてきちゃったけれど、私から帰ろうとは言えない。
私がいなければ、彼はきっと満足するまで夜まで続けるんだろうと思う。
やらせてあげたい気持ちはたくさんある。
けれど、飽きてきちゃった。
私が隣にいるのに彼は、機械に夢中。

ついに彼は、「帰る?」と聞いてきた。
帰るといってくれるのならば、私は大賛成。
けれど、彼は本当はそうしたくないのは、わかってるから「いいよ。やってて。」そうとしか言えない。
席を立ったり座ったりしながら考えて、彼は「勝っているうちに止めよう。」そう言ってコインの山を抱えた。
続けるならば、私だけ帰ろうと思っていたところだった。

おやつみたいな時間に今日始めての食事。
「ねぇ、ねぇ、未練がましいようだけれど、今日の台ってずっとあたりを引きっぱなしだったの。続かないんだけれど、他の台みたいにすごくはまる事もなくて。」
「うん」
「さくらんぼもすいかもたくさん引けてるの。」
「うん」
「あたりが終わっても、高確率モードにいるの。」

彼がきっと言って欲しいと思う言葉を言ってみた。
「うん。きっと設定6だったね。」
「やっぱり?だよね〜」
「ねぇ、私がいなかったらずっとやってたでしょう」
「もちろん!」
「だから、やってていいよって言ってたのに」
そういいながら笑っちゃった。
言葉はそうだったけれど、態度が全然違ったの自分でもわかるもん。
彼も「すごく飽きちゃってて、すねてたじゃない。」
ねぇ。
「だって二人でいるのに、私が横にいるのに、私じゃないものに夢中なんだもん。」
「ねぇねぇ、NaNaちゃんやきもちやく対象が違うから。他の女の子とかならわかるけどさ〜、相手が全然違うじゃない。機械にやきもちやいたってさ〜」
彼は笑ってた。

本当は、やってていいよってずっとニコニコ笑っていっていたい。
今度から、もう少しがんばってみようかな。
今、これを書きながら、反省している。
彼が好きなことをしているのを、やめさせるのはかわいそうだね。

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