秘密

彼は、初めて会ったときから、自分の出た学校のことを教えてくれませんでした。
ただ、理系の人なんだということだけは教えてくれました。
私が学校を卒業した後入った会社は、理系の出版社でしたから、
理系の学校は良く知っていました。
今はもう、すっかり忘れてしまっていますが、
その会社にいる時に、知り合った子が学校の近くのどこに住んでたといったのを受けて、学校と学部を言えたくらいです。
だから、今でも普通の人よりはちょっと詳しかったりするので、ついどこ？と聞いちゃったりしました。
が、彼は教えてくれませんでした。

でも、彼の話からきっとここかなと思っている学校がありました。

彼が話せるときまでは聞くつもりもなかったんです。
言えないってことは彼が気にかかっていることなのかと思ったし、私には言いたくないことなのかなと。

でも、もしこれから先私たちの将来を一緒に考えるようなことになったときは、「言わないと不自然な事」です。
彼はどうするのかと、思っていました。

その話を今日聞きました。
言ったっけ？
と前置きしつつ話してくれました。
どうもありがとう。

私は、それを受けて・・・。

私も彼に言えずにいることがあります。
それは私の仕事のことです。
それこそ、これから先私たちの将来を一緒に考えるようなことになったときは、「言わないと不自然な事」です。
私はこれが言えないので、彼に私たちの将来をどう考えているのか聞けずにいます。
彼の秘密を聞いて、私は追い込まれた気持ちになっています。