突然言われた。
「9月13、14は名古屋なんだ。連休あたま二日なんだよね。」

えーまた週末会えないの?

仕事なんだから仕方ない・・・と思いつつも、
少し反抗したくなってしまった。
早めに言ってもらえれば、予定も立てられるし、
そうすれば彼のことだけをふつふつと考えていないですむので、
ありがとうくらいの気持ちなんだけど。
昨日の《先輩と温泉》を思い出した。
携帯を取り出し、

じゃあ別の人にあそんでもらおうっと

そう言って彼の目の前でメールを入れた。
すると彼は、にっこり笑って

「ひろしくんだか、つよしくんだか知らないけど、ぜんぜん負ける気がしないんだよね。」
と言い出した。

メールの相手は女性なのでなかなかピンと来なかったんですが、
どうやら、私の周りの他の男の人には負ける気がしないということみたい。
なぜだか聞いてみたくなった。

「いい男なんてそんなにいないって。違う?」

彼は自分ほどのいい男なんて、めったに居ないと言いたいのかな。
そりゃそうだ。私にとっては、彼ほどいい男なんていないですけど。
このときは、彼の言葉を取り込むのに精一杯で終わってしまった。

でも、ほら取り込んだら消化したくなるでしょう?
しばらく経って、忘れた頃にもう一度聞いてみることにした。

ひろしくんや、つよしくんに負ける気がしないのはなぜ?

私の様子でかしら?
それが一番わかりやすいんだけど。
声が聞ければ安心するし、
会えば嬉しくて、触れるとどきどきする。
そのまま彼の身体の中にずぶずぶと埋まって行きたい気持ちにもなる。
私は自分の気持ちがストレートに表に出てしまうので、それならわかる。

「全体で」

やっぱりそう言うこと?
と思ったけど、そういう言葉が聞きたくなっちゃった。
具体的にどんなところで?

「NaNaちゃんのそっちっ側にひろしくんとか、つよしくんとかいたら、そっちにいく?」

いかないけど・・・悔しいから考える振りを続けてみる。

「NaNaちゃんはそっちにいかない自信があるの」

うーん、それじゃあ全然わかんないじゃん。

じゃあじゃあ、そっちがわに、ともこちゃんやなおみちゃんがいたらそっちにいっちゃう?

「ぼーんだったらわかんないなぁ」

ボーン好きなのは知ってるけど・・・結構真剣に聞いてるんですけど。

「じゃあ、逆に聞くけど、こっちに誰だっけ?
ともこちゃんと?なおみちゃん?がいてNaNaちゃんは俺がそっちに行っちゃうと思う?」

また、考えてみる。
どうなのかな、それは彼が決めることで、私は行かないことを望んでるけど。おっと。

ちょっと待って。
私が聞いているのに、どうして私が答えなくちゃいけなくなっちゃったの?

「だって、俺はそうでもNaNaちゃんは行かない自信があるの。NaNaちゃんはどうなの?
同じところで整理しておかないと。」

なんか・・・ずるい気がする。

途中で席を立ったりして話がそれていって少しの時間が流れた。

「誰にも負けないくらい思ってるからだよ。」
ふと彼に言われた。

ここのところ、私の中に好きが充満しています。

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